突起板・凸板・ダボ出し板
エッチング加工 突起板・凸板・ダボ出し板
【突起板・凸板・ダボ出し板】
板の表面に突起を形成されたプレートのことを何とお呼びでしょうか?
突起板・凸板・ダボ出し板などいろいろな呼び名があり、明確な通称はないようです。
平井精密工業でも、この突起板・凸板・ダボ出し板の金属加工をご依頼頂くことがあります。ダボ出し板とは言っても、平井精密工業ではエッチングによる加工対応となりますので、正確にはダボ出しにように金属の裏側から押し出しての加工とは異なります。
【エッチング加工による突起板・凸板・ダボ出し板形成について】
エッチング加工は、金属のオモテ・ウラをマスキングし、酸性の薬液で腐食(溶かす)させる加工方法となります。通常のエッチング加工では、オモテ・ウラともに同じマスキング設計を行って、腐食液により金属板を貫通させる事が一般的です。オモテからだけ、あるいはウラからだけエッチング加工を行う事をハーフエッチングと呼んでいます。
このハーフエッチングの加工方法により、金属表面に凸を形成する事が出来ます。ハーフエッチングは大部分をマスキングしておき、一部分だけ腐食させる事が一般的です。逆に、一部分だけマスキングしておいて、大部分をエッチングする事で、金属表面に凸を形成出来ます。
エッチング加工による突起板・凸板・ダボ出し板の形成は、メリット・デメリットが存在します。ご希望の仕様に応じて出来るだけの検討をさせて頂きます。
【エッチング加工による突起板・凸板・ダボ出し板形成のメリット】
切削加工でも、大部分を削って一部分だけ残す事で金属表面に凸を形成出来ますが、加工対象の板厚が薄い、加工面積が広い、数量が多い時には、切削加工では苦手とされる場合があります。エッチング加工でしたら、マスキングしてから腐食液をシャワーにて吹き付けて金属を溶かしていきます。
板厚が薄い、加工面積が広い、数量が多い等のご依頼でも対応させて頂く事が可能です。また、薬品による化学的な加工の為、切削加工に比べて圧力や熱が掛からない事で、母材への影響を出来るだけ抑える事が出来ます。
【エッチング加工による突起板・凸板・ダボ出し板形成のデメリット】
平井精密工業のエッチング加工では、腐食が水平方向に進むと同時に、垂直方向にも進んでいきます。これにより、凸部の根元は直角に仕上がりません。山の裾野のように凸部根元にはRが生じる仕上がりとなります。(掲載サンプル①のイメージです。)
また、凸部高さに対して凸部の配置間隔が狭い場合には、垂直方向に腐食を進めたくても、水平方向にも腐食が広がってしまう事で、デザインによっては凸高さと凸配置のバランスが実現出来ない事も有ります。
【加工材質について】
突起板の加工にあたっては、SUS304、SUS430、銅などの実績が有ります。 上記以外の材質について、突起板の加工でなくても、エッチング加工自体が対応な材質はさまざまです。AL(アルミ)、Fe(鉄)、Ni合金(コバール、42アロイ、アンバー)また珪素鋼板、Ag(銀)、Ti(チタン)、アモルファス、パーマロイ等の特殊材の対応が可能です。保有している材料についても材質、板厚、調質など豊富なバリエーションが有りますのでお気軽にお問合せ下さい。